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2017年5月31日水曜日

筋肉疲労物質は乳酸でないなら一体何か

以前にも書いたが、ここ数年のトレーニングは平日のゆっくり走、週末のポイント練習(坂ダッシュ・階段走など)になっている。

ポイント練習の時は脚の筋肉がいわゆる「乳酸がたまった」状態になる。あるいは最近始めた体幹トレーニングでも腹筋に「乳酸がたまる」。

ところが最近のネット上では乳酸は疲労物質ではないという説が主流なようである。むしろエネルギーを産み出す有用な物質だという。その論理は、

(1)激しい運動(無酸素運動)では酸素の供給が追い付かないため、解糖系という効率の悪い反応でグルコースを分解し乳酸という不完全な燃えカスを生じる。

(2)運動強度を落として酸素の供給が追い付く(有酸素運動)と、乳酸を分解する反応が起こる。燃えカスは二酸化炭素と水である。よって乳酸はエネルギー(ATP)を生み出す有用な物質である。

しかし化学的エネルギーが保存されることを考えれば、一定量の糖に一定量の酸素が反応すれば一定量のATPが生じるのだから、不完全な燃えカスである乳酸がエネルギーを生み出すのは当たり前である。

炭素を不完全燃焼させれば一酸化炭素が生じ、一酸化炭素を燃焼させれば二酸化炭素が生じる。合計すると最初から完全燃焼させるのと生じるエネルギーは同じだ。しかし一酸化炭素がエネルギーを生み出すからといって有用な物質と言えるのか。

エネルギーを生み出すかどうかではなく生理的な作用として疲労感を生じさせるのかどうかで判断しなければならない。

その点で、筋肉に乳酸を注入しても疲労感は生じないという話もネットには出ている。事実なら傾聴に値する。


では結局疲労物質な何なのか。

ネットでは「FF」なる物質が取りざたされている。激しい運動によって活性酸素が生じそれが細胞を破壊してできるたんぱく質だそうだ。何でも活性酸素のせいにするのも胡散臭いが、この物質は脳に作用して疲労感を生じさせるとのことだから、全身倦怠感は説明できても局所的な筋肉の感覚は説明できないだろう。またたんぱく質のような大きな分子が脳関門を通れるのだろうか。


では結局疲労物質は何なのか。

「解明されていない」というサイトもある。乳酸によって酸性になった結果疲労感を感じるというサイトもある。とにかく激しい運動で急激に生じて運動をやめれば10秒ほどで消える、鍛えれば生じにくくなる(速やかに消える)、そんな物質なのだが。

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