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2017年6月15日木曜日

心拍20億回で死ぬから運動してはいけない?

巷のトンデモ情報だが、どんな動物でも一生の心拍数は20億回ぐらいと決まっているのでジョギングなどの運動をすると早く死ぬ、というのがある。

私など30年以上ジョギングしているので年金をもらう前に死ぬのだろうか。

この説の出所は本川達雄氏の「ゾウの時間ネズミの時間」であろう。ゾウは心拍が遅く寿命が長い、ネズミはその逆だが、かけ合わせれば総量は同じで、1拍を主観的な時間の単位と考えるならば種によって主観的な寿命は同じだというものだ。

ヒトでは安静時は60拍/分くらいなので、84年で20億回という計算になる。ずっと安静にしているわけではないのでもっと寿命は短いかもしれない。

この本自体にケチをつけるつもりは全くない。私も読んだことがあるが科学的で面白い本だ。批判したいのは意図的に捻じ曲げてセンセーショナルな表題をつけてサイトアクセスを稼ごうとしている輩だ。捻じ曲げる意図があるなら立派なほうで実際はコピペしているだけだろうが。

まずこの本で比較しているのは異なる種の間での比較であって、同じ種の個体間の比較ではない。子供のうちに死ぬゾウもいる。

次に20億歩譲って個体間の比較でも成り立つとする。この論に不利になることはあえて無視して計算してみよう。

安静時の心拍数を60拍とする。階段を上がったりすれば100拍ぐらいまで行くだろうがあえて無視する。

運動すれば平常時の心拍数は低くなるとか、誕生から死ぬまで毎日ジョギングするはずもないということもあえて無視する。

1日1時間ジョギングし心拍数が180拍になるとする。全力疾走レベルで1時間続けることになるから市民ランナーにはあまりない設定だがあえて無視する。

すると3倍の心拍数を1時間続けるわけだから、1日の総心拍数は運動していない人の26時間分となる。 したがって寿命は24/26=12/13に縮むことになる。

ヒトの生物学的な寿命は120歳ぐらいといわれているので、運動すると寿命が110歳になることになる。

だが実際の平均寿命が80歳程度ということは、運動しない人は限界は高いけれども生活習慣病等で限界を全うできないということだ。逆に運動すれば110歳の限界を目指すことができるだろう。

さあ明日も走って長生きしよう。

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